コプラナリティ(coplanarity)とは、電子部品の接点端子やはんだボールなどがどれだけ同一平面上に揃っているか(=平坦性)を示す品質指標です。
日本語では「共面性」または「端子平坦度」とも表現され、特にコネクタやICパッケージなどの表面実装部品で重要な管理項目です。
車載コネクタなどの高速伝送対応部品では、わずかな高さのずれが信号品質や接触信頼性に重大な影響を及ぼすため、設計・製造・実装のすべての工程でコプラナリティの確保が必須とされています。

なぜコプラナリティが重要なのか?
製造時の不良防止:
端子が浮いていると、はんだがうまく付かず、電気的接続不良や機械的強度不足の原因になります。
はんだを用いない接続においても短い場合は接触不良、長い場合は基板への機械的ストレスなどの原因となります。
製造後の製品信頼性の向上:
接続後も端子間の応力集中などに影響し耐久性を左右するため、特に車載機器や航空機など、振動や温度変化にさらされる環境では、コプラナリティの確保が不可欠です。
自動実装対応:
コプラナリティが良いほど歩留まりや安定性が向上し自動化がし易くなります。
測定方法
簡易的な方法として隙間ゲージによる測定がありますが、測定値のバラツキが大きく、慎重に測定しないと対象物を破損させるリスクがあります。
手作業で手間と時間がかかるため、量産での全数検査などには不向きなどと言った問題があります。
本格的な方法としては顕微鏡類による測長、接触式プローブ、レーザースキャンなどの方法があります。
規格
JEITAやIPCなどの業界標準で、部品種別ごとに許容値が定められています。
例)JEITA ED-7306
主なコプラナリティ不良の原因
- 端子加工精度のばらつき
- 成形・加工時の熱などによる反りや歪み
- 保管中の湿度・温度変化による変形
対策
- 加工精度の改善
- 工程管理項目の保全・改善(例:リフロー炉の温度プロファイル)
- 部品保管環境の管理
まとめ
コプラナリティは見落とされがちですが、特に大量生産においては電子機器の信頼性を左右する非常に重要な品質要素です。

