自動車や船舶などの車載機器に関する電磁両立性(EMC)規格で、国際電気標準会議(IEC)が策定したものです。
「車載受信機保護のための妨害波の推奨限度値および測定法」の規格であり、車両、船舶、および内燃機関に関するラジオ妨害特性、限界および測定方法について定められています。
具体的には、150kHzから5.9GHzの周波数範囲における伝導型および放射型の電磁波の測定方法と限度を規定しています。
EMC(Electromagnetic Compatibility:電磁両立性)性能とコネクタの関係は、電子機器の設計において非常に重要なポイントです。
<EMC性能とコネクタの関係>
EMC性能は、機器が外部からの電磁干渉に耐え、かつ自ら過剰な電磁ノイズを発生しない能力を指しますが、コネクタは信号や電源を機器間で伝達するための物理的な接点であり、以下の要因でEMC性能に大きく関わります。
(a) シールド性能
コネクタの金属シェルやシールド構造が不十分だと、ケーブルからの放射ノイズや外部ノイズが侵入しやすくなる。
(シールド付きコネクタ+360°接地が理想)
(b) 接触抵抗とグラウンド接続
接触抵抗が高いと、グラウンド経路が不安定になりコモンモードノイズが増加。
(低インピーダンスの接地が重要)
(c) ピン配置と信号ペア
高速信号(USB、HDMI、Ethernetなど)は差動ペアで配置し、隣接ピンにグラウンドを配置することでクロストークを低減。
(d) ケーブルとコネクタの一体設計
ケーブルシールドとコネクタシェルの接続が不完全だと、シールド効果が損なわれる。
(EMC試験でよく問題になるのは「シールドの不連続性」)
ローゼンバーガー製車載通信用コネクタは、ダイキャスト製ボディのPCBレセプタクル+360°フルシールドのケーブル側端子という構造を基本として設計しており、高いEMC性能を確保しています。



