Power over Coax(PoC)とは

Power over Coax(PoC)とは同軸ケーブルに電源を重畳して、信号と電源供給を同時に行う事で別途電源用のケーブルを設ける必要をなくした伝送方法です。

適用分野

PoCは自動車や産業機器で採用されていますが、車載用途ではナビゲーション用GPSアンテナ等が一般的で、最近ではADAS(先進運転支援システム)やサラウンドビュー用のカメラに使われ、配線設計の簡素化やハーネスの軽量化に役立っています。

動作原理

PoCシステムでは、信号伝送と電源供給が同軸ケーブルを通じて行われます。
同軸ケーブルへ高周波信号と直流電流を重畳し、バイアスT回路を用いて高周波信号と直流電流を分離します。
このバイアスT回路は通常インダクタとコンデンサを使用して構成され、信号干渉を防ぐように設定されます。

PoCの利点

配線の簡素化:
複数のケーブルを必要とせず、1本の同軸ケーブルで電源と信号を同時に送信できるため、配線が簡素化されます。
設置コストの削減:
ケーブルの本数が減ることで、設置にかかる手間やコストを軽減します。
軽量化:
ケーブルの重さが軽減される事で、車両の総重量が軽くなり、燃費向上につながります 。

Power over Coax(PoC)は、自動車や産業機器における配線設計を簡素化し、素材の軽量化を実現するための革新的な技術です。
これにより効率的かつコスト効果の高い電源供給と信号伝送が可能になります。

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監修者

1990年~車載アンテナメーカーである株式会社ヨコオに入社。衛星通信機器の電気設計及びセラミックアンテナ及びフィルターの設計に従事し、その後車載通信機器事業部の電気設計管理職となり主に車載アンテナの開発を遂行。2018年~高周波コネクタ製品のトップシェアメーカーであるローゼンバーガーの日本法人であるローゼンバーガー・オートモーティブ・ジャパン合同会社に転職し、車載通信機器の開発で培った知識を生かし、マネージャーとして各OEM及びTier1へ製品の市場導入サポートを行っています。