鈴木 茂夫– Author –

1990年~車載アンテナメーカーである株式会社ヨコオに入社。衛星通信機器の電気設計及びセラミックアンテナ及びフィルターの設計に従事し、その後車載通信機器事業部の電気設計管理職となり主に車載アンテナの開発を遂行。2018年~高周波コネクタ製品のトップシェアメーカーであるローゼンバーガーの日本法人であるローゼンバーガー・オートモーティブ・ジャパン合同会社に転職し、車載通信機器の開発で培った知識を生かし、マネージャーとして各OEM及びTier1へ製品の市場導入サポートを行っています。
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FAKRAコネクタの詳細解説|自動車の標準RFインターフェースコネクタ徹底解説
はじめに|車載RFインターフェースの標準としてのFAKRA 現代の自動車には多数のセンサーや通信機能が搭載されており、それらを接続するコネクタの性能や信頼性も年々高度化しています。 FAKRAコネクタは車載向け高周波(RF)信号伝送用として開発され、現... -
FAKRA miniとは?インターフェースの分類と選定時の注意点
車載カメラ、レーダー、IVI、V2X通信といった高速伝送系統の拡大に伴い、「FAKRA mini(またはmini FAKRA)」コネクタの採用が自動車業界で急速に広がっています。 従来から多用されてきたFAKRAコネクタは、その堅牢性と信頼性で高い評価を得てきましたが... -
同軸ケーブルとは?車載高速伝送の基盤を支える伝送メディアの基礎と選定ポイント
はじめに:なぜ今、同軸ケーブルが注目されているのか? 車載ネットワークが「映像」「センサ情報」「インフォテインメント」など多様化・大容量化するなかで、高周波帯域の安定伝送が求められる場面が増えています。 とりわけGMSLやFPD-Linkなどのシリア... -
多極コネクタとは?車載用設計で押さえるべき基礎知識と選定の実務ポイント
車載通信の高速化・多様化に伴い、コネクタに求められる要件も大きく変化しています。 従来は単一信号や電源の伝送に特化した単極コネクタが中心でしたが、最近では複数の信号線や電源を一体化して扱える「多極コネクタ(multi-pole connector)」が主流に... -
STQケーブル(Shielded Twisted Quad/Shielded Star Quad)とは
車載用のSTQ(Shielded Twisted Quad)ケーブルは、2006年にローゼンバーガーと欧州主要自動車メーカーと共同で定義・開発した、4芯スタークアッド構造のシールド付き差動ケーブルです。 STQは 4 本の導体(=2ペア差動線)を十字状により合わせ、互いの磁... -
UTP(Unshielded Twisted Pair)ケーブルとは?
UTP(Unshielded Twisted Pair)は、シールドを持たない2芯のツイストペア線です。 ツイスト(より合わせ)構造により、差動信号が外来ノイズを打ち消し合うことで、一定のEMC性能を確保しています。 ISO 19642(車載ケーブル規格)でもシールドの有無を問... -
STP(Shielded Twisted Pair)ケーブルとは?
STP(Shielded Twisted Pair)は、シールド(導電性フォイルや編組)を持った2芯のツイストペア線です。 ツイスト構造が本来もつ外来ノイズキャンセル効果に加え、シールドが電磁波を遮へいするため、10 Gbps級までの高速差動信号でも厳しい車載 EMC 規制... -
ディファレンシャルモード(Differential Mode)とは?
ディファレンシャルモード(Differential Mode)とは、2本の信号線に逆位相の電圧信号を流し、その差分で情報を伝送する状態や動作モードを指します。これは、車載カメラシステムやADAS、イーサネット(100BASE-T1 / 1000BASE-T1)など、ノイズに強い通信... -
コモンモードノイズ(Common Mode Noise)とは?
「コモンモード」とは、2本の信号線に同じ向き・同じ電圧で現れる共通成分のことです。自動車のECUやセンサなどの高速通信では、+と−の差で情報を伝える差動信号が使われています。この差動伝送では、共通の成分(=コモンモード)は本来信号として無視さ... -
ビットレートとは?
ビットレート(Bit Rate)は、デジタル通信において1秒間に伝送されるデータ量を示す指標で、通常は【bps(bits per second)】で表されます。 車載ネットワークでは、カメラ映像、センサー情報、インフォテインメントデータなど、多様なデータがリアルタ... -
EYEパターンとは?差動伝送における信号品質評価の鍵
Eyeパターン(Eye Diagram)は、高速デジタル通信の信号品質を評価する代表的な手法です。通信波形のタイミングや電圧のばらつきを可視化することで、伝送経路に生じるノイズ・歪み・ジッターといった影響を一目で把握できます。 測定では、PRBS(擬似ラン... -
HFM®コネクタの詳細解説|次世代の高速通信を実現する同軸コネクタの全貌
自動運転技術やADAS(Advanced Driver-Assistance Systems, 先進運転支援システム)の進化によって、現代の車両には多くのカメラやセンサーが搭載され、大容量・高速・低遅延なデータ通信が不可欠となっています。 4K/8Kカメラ・LiDAR・ミリ波レーダーなど...