コネクタ嵌合保持力(connector retention force)とは

コネクタ嵌合保持力とは、プラグとレセプタクル(またはジャック)が嵌合した状態を長期間にわたり安定して維持できる性能を指します。

これは「挿入力」や「離脱力」と密接に関係していますが、それらが瞬間的な操作力であるのに対し、嵌合保持力は振動・衝撃・温度変化といった自動車特有の過酷環境下で、どれだけ嵌合状態を維持できるかを評価するものです。

嵌合保持力を担う主要な構造は以下の通りです。

ハウジングロック(嵌合ロック機構)
 コネクタ同士を嵌合させた際に作動する基本的な保持機構で、振動や衝撃による抜けを防ぎます。

 設計次第で保持力の強弱が決まり、規格に基づいて最適化されます。

CPAConnector Position Assurance
 ハウジングロックに加えて設定される補助機構で、半嵌合を防止し、完全にロックされた状態であることを保証します。
 欧州・北米のOEMではADASカメラや車載イーサネットなどの用途を中心に、CPAの採用が必須要件(must)になりつつあるのが大きなトレンドです。

 ローゼンバーガーのFAKRAHFM®RosenbergerHSD®H-MTD®は、ISO 20860、USCAR、OEMスペックなどの各規格に準拠しつつ、こうした保持構造を最適化しており、組立品質と長期信頼性を両立させています。

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監修者

1990年~車載アンテナメーカーである株式会社ヨコオに入社。衛星通信機器の電気設計及びセラミックアンテナ及びフィルターの設計に従事し、その後車載通信機器事業部の電気設計管理職となり主に車載アンテナの開発を遂行。2018年~高周波コネクタ製品のトップシェアメーカーであるローゼンバーガーの日本法人であるローゼンバーガー・オートモーティブ・ジャパン合同会社に転職し、車載通信機器の開発で培った知識を生かし、マネージャーとして各OEM及びTier1へ製品の市場導入サポートを行っています。

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